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2026年10月06日
杖・歩行器の選び方|合う高さと、介護保険で借りられるもの
「歩くのが不安そうだが、どんな杖を選べばいいのか分からない」
「買ってきた杖を嫌がって使ってくれない」
「歩行器とシルバーカーは、何が違うの?」
杖や歩行器は、その人に合っていなければ、かえって転びやすくなります。高さが合わない杖は、体を支えるどころか、バランスを崩す原因になります。
また、介護保険で借りられるものと自分で買うものが分かれている点も、分かりにくいところです。
この記事では、杖と歩行器の種類、高さの合わせ方、正しい持ち方、介護保険の扱いを整理します。
杖の主な種類
- T字杖(一本杖):最も一般的です。自分の足でしっかり歩けるが、少し不安がある方向けです。体重を大きくあずけることはできません。
- 多点杖(四点杖):杖先が3〜4本に分かれています。安定性が高く、体重をあずけられます。片麻痺のある方によく使われます。ただし重く、平らな場所でないと不安定になります。
- ロフストランドクラッチ:腕を通す輪がついた杖です。手首や握力が弱い方でも、前腕で支えられます。
- 松葉杖:骨折の後など、一時的に脚に体重をかけられない場合に使います。
「不安定な人ほど、しっかりした杖」が基本です。ふらつきが強い方にT字杖を渡しても、支えきれません。
歩行器・歩行車とシルバーカーの違い
ここはとても重要な区別です。混同すると危険です。
【体を支えるものかどうか】
- 歩行器:四角い枠の形で、体重をあずけて歩くためのものです。持ち上げて進む「固定式」と、前輪がついた「キャスター付き」があります。主に屋内で使います。
- 歩行車:車輪とブレーキ、座面がついたものです。屋外でも使え、疲れたら座って休めます。
- シルバーカー:体を支えるための道具ではありません。自分の足で歩ける方が、荷物を運び、少し休むためのものです。
シルバーカーに体重をあずけないでください
シルバーカーは支えることを想定して作られていません。体重をかけると前に滑り出し、転倒につながります。「歩くのが不安だから」という理由で選ぶものではありません。支えが必要な方には、歩行器か歩行車です。
杖の高さを合わせる
合っていない杖は、ないほうがましなことさえあります。次の方法で確認してください。
合わせ方
- 靴をはいて、まっすぐ立ちます。
- 杖先を、足の小指の外側から前へ15cm、横へ15cmの位置に置きます。
- その状態で握ったとき、肘が30度くらい軽く曲がる高さが目安です。
もうひとつの目安は、まっすぐ立って腕を下ろしたとき、手首の骨の出っ張りの高さです。
高すぎる杖は肩が上がり、体が傾きます。低すぎる杖は前かがみになり、つまずきやすくなります。
持つ手は「悪いほうの反対」です
痛い脚、麻痺のある脚と反対側の手で持ちます。多くの方が間違えるところです。
歩く順番は「杖 → 悪いほうの脚 → 良いほうの脚」です。この順番なら、常に2点以上が地面についた状態を保てます。
介護保険で借りられるもの・買うもの
【介護保険でレンタルできるもの】
- 歩行器・歩行車
- 歩行補助つえ(多点杖、ロフストランドクラッチ、松葉杖など)
これらは要支援1・2の方でもレンタルできます。手すりやスロープも同様です。
介護保険の対象にならないもの
T字杖(一本杖)とシルバーカーは、介護保険の対象外です。自分で購入することになります。
なお、市区町村によっては、杖の購入費を助成していることがあります。お住まいの窓口で確認してみてください。
福祉用具の全体像は介護保険で借りられる福祉用具一覧|要介護度別の対象とレンタル・購入の違いをご覧ください。
レンタルの相談先はケアマネジャーです。福祉用具専門相談員が自宅に来て、体に合わせて調整してくれます。試しに使ってみてから決められるのも、レンタルの利点です。
定期的に確かめたいこと
一度合わせて終わり、ではありません。体の状態は変わります。

本人が使いたがらないとき
「年寄りくさい」「まだ必要ない」と拒まれることはよくあります。
- 見た目を選んでもらう。木目調、柄つき、折りたたみなど、種類は豊富です。自分で選んだものは使ってもらえます。
- 「転ばないため」ではなく「長く歩けるように」と伝える。できなくなることではなく、できることを増やす道具だと伝えます。
- 外出のときだけから始める。家の中では使わない、という形でも構いません。
- 専門職から伝えてもらう。家族が言うより、理学療法士やケアマネジャーの言葉のほうが受け入れられることがあります。
転んでからでは遅いのですが、無理に押しつけると意地になってしまいます。時間をかけてください。
道具に頼る前に、体の状態も見てください
杖や歩行器は体を支える道具ですが、支える側の体が固まっていては、うまく使えません。
たとえば、肩や肘が固くて腕が上がらない方は、歩行器のハンドルを正しく握れません。足首が固い方は、すり足になってつまずきます。
💡 訪問マッサージがお手伝いできること
- 関節の動く範囲を保ちます:肩・肘・手首・足首が動けば、道具を使いやすくなります。
- 握る力を使いやすくします:手指のこわばりを和らげます。
- 介護保険の限度額を消費しません:福祉用具のレンタル枠を圧迫しません。
- 歩き方の変化をお伝えします:ご家族・ケアマネジャー様へ共有します。
つまずきの原因と対策は【高齢者の歩行でつまずく】原因と自宅でできる予防トレーニング&転倒防止ケアで解説しています。
よくあるご質問
Q. 杖はどこで買えますか?
ホームセンター、ドラッグストア、福祉用具の専門店などです。できれば専門店で、実際に持って高さを合わせてもらってください。通販で買うと、高さが合わないことがあります。
Q. 杖先のゴムは交換できますか?
できます。すり減ったゴムは滑ります。溝がなくなってきたら交換してください。ホームセンターなどで手に入ります。
Q. 家の中でも杖を使うべきですか?
屋内は手すりのほうが安全なことが多いです。杖は屋外、屋内は手すりや家具を伝って歩く、という使い分けをしている方が多くいます。
Q. 両手で押す歩行器は、外でも使えますか?
屋内用と屋外用があります。屋外で使うなら、車輪が大きくブレーキのついた歩行車が適しています。段差や坂道での使い方も、福祉用具専門相談員に確認してください。
Q. レンタルの費用はどのくらいですか?
品目によりますが、1割負担なら月に数百円程度のものが多くあります。介護保険の限度額を使います。
訪問マッサージオリーブの「無料体験・評価」をご利用ください
「杖を使っても、歩くのが不安そう」
「関節が固くなって、道具をうまく使えない」
このような方へ、訪問マッサージオリーブでは「無料体験マッサージ」と「お身体の状態を正確に確認する無料評価」を実施しております。
- 国家資格を保持する専門スタッフがご自宅へ訪問し、関節の可動域や筋力を評価します。
- 医療保険のサービスのため、介護保険の限度額を消費しません。福祉用具の枠を圧迫しません。
- ご家族の見学・同席も歓迎です。費用はかかりません。
仙台市および周辺地域にお住まいの方を対象に訪問しております。
まとめ
- ふらつきが強い方ほど、支えの大きいものを。T字杖では支えきれないことがあります。
- シルバーカーは体を支える道具ではありません。支えが必要なら歩行器か歩行車を。
- 杖の高さは肘が30度くらい曲がる位置。持つのは悪いほうの脚と反対の手。
- 歩行器・多点杖は介護保険でレンタルできます(要支援でも可)。T字杖とシルバーカーは対象外。
- 杖先ゴムのすり減りとブレーキの効きは、定期的に確認を。
※体に合う用具の選定は、ケアマネジャー・福祉用具専門相談員・理学療法士などにご相談ください。