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2026年09月29日
親のお金の管理と成年後見制度|費用・注意点と2026年の法改正
「通帳や印鑑をどこにしまったか、何度も分からなくなる」
「同じものを何度も買ってくる。怪しい電話にも出てしまう」
「親の口座が凍結されると、介護費用が払えなくなると聞いた」
親の物忘れが増えてくると、お金の管理がご家族の大きな心配ごとになります。調べると必ず出てくるのが成年後見制度ですが、「一度始めるとやめられない」「費用がかかり続ける」といった話も耳にして、判断に迷う方は少なくありません。
しかもこの制度は、2026年に法律が改正され、今後大きく変わる予定です。
この記事では、成年後見制度の仕組みと費用、知っておきたい注意点、法改正のポイント、そして後見の前に検討できるほかの選択肢を整理します。
はじめにお読みください
この記事は、2026年9月時点の一般的な情報です。個別のご判断は、家庭裁判所、弁護士・司法書士などの専門家、お住まいの地域包括支援センターや社会福祉協議会にご相談ください。法改正の施行時期や細かな運用は、今後決まっていきます。
判断能力が落ちると、何が困るのか
銀行などの手続きは、ご本人の意思を確認できることが前提です。判断能力が大きく低下すると、次のような場面で手続きが進まなくなることがあります。
- 定期預金の解約、まとまった額の引き出し
- 施設の入居費用にあてるための、自宅の売却
- 介護施設や介護サービスの契約
- 相続が起きたときの遺産分割の話し合い
いわゆる「口座の凍結」は、銀行がご本人の判断能力の低下を知ったときに、取引を制限することを指して使われる言葉です。
ただし、医療費や介護費用などご本人のための支払いについては、一定の条件のもとでご家族による手続きに応じる考え方が、銀行業界から示されています。対応は銀行ごとに異なりますので、困ったときはまず取引している銀行に相談してください。
成年後見制度には2つの種類があります
【法定後見と任意後見】
- 法定後見:判断能力が低下した後に、家庭裁判所に申し立てて、家庭裁判所が支援する人を選びます。現在は、判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれています。
- 任意後見:判断能力があるうちに、ご本人が自分で将来の支援者を選び、何を任せるかを契約で決めておきます。契約は公正証書で結びます。
「成年後見」という言葉で一般に話題になるのは、多くの場合法定後見のほうです。
法定後見で知っておきたい5つの注意点
現在の制度で、ご家族が「こんなはずではなかった」と感じやすい点です。
1. 後見人を選ぶのは家庭裁判所です
申立てのときに、ご家族を候補者として書くことはできます。しかし最終的に誰を選ぶかは家庭裁判所が決めます。財産の状況などによっては、弁護士や司法書士などの専門職が選ばれることがあります。
2. 途中でやめることが難しい
現在の制度では、一度始まると、ご本人の判断能力が回復しない限り、原則として亡くなるまで続きます。「定期預金を解約したかっただけ」という目的を果たしても、終わりにはできません。この点は、2026年の法改正で見直される予定です。
3. 費用がかかり続けることがある
専門職が後見人になった場合、ご本人の財産から報酬が支払われます。金額は家庭裁判所が決めますが、基本的な報酬の目安は月2万円程度で、管理する財産が多いほど高くなります。
4. 財産は「ご本人のため」にしか使えない
後見人の役割はご本人の財産を守ることです。孫へのお祝い、ご家族の生活費の援助、相続税対策としての贈与などは、原則としてできなくなります。
5. 家庭裁判所への報告が必要です
ご家族が後見人になった場合も、財産の状況などを定期的に家庭裁判所へ報告する必要があります。
法定後見の申立ての流れと費用
申立て先
ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。仙台市にお住まいの方であれば、仙台家庭裁判所になります。申立てができるのは、ご本人、配偶者、4親等内の親族などです。
おおまかな流れ
- 地域包括支援センターや専門家に相談する
- 医師に、成年後見制度用の診断書を書いてもらう
- 申立書や財産の資料をそろえて、家庭裁判所に申し立てる
- 家庭裁判所での面接。必要な場合は、医師による鑑定が行われる
- 審判が出て、後見人が決まる
申立てにかかる主な費用
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 申立手数料(収入印紙) | 800円 |
| 登記手数料(収入印紙) | 2,600円 |
| 郵便切手 | 数千円(裁判所により異なる) |
| 診断書・戸籍などの書類 | 数千円程度 |
| 鑑定費用 | 必要と判断された場合のみ。10万円前後かかることがある |
申立ての手続きを弁護士や司法書士に依頼する場合は、別に依頼費用がかかります。費用の負担が難しい方には、市区町村による助成制度が設けられていることがあります。
2026年の法改正で、何が変わるのか
成年後見制度を見直す改正民法が、2026年6月に成立しました。施行は公布から2年半以内とされており、2028年までに新しい制度が始まる予定です。
【改正の主なポイント】
- 3つの類型をひとつに:「後見・保佐・補助」の区分をなくし、「補助」に一本化されます。
- 必要なことだけを支援する:「定期預金の解約」「施設の契約」など、必要な範囲を選んで支援を受ける形になります。
- 必要がなくなれば終わりにできる:目的を果たしたなど、家庭裁判所が必要なくなったと認めれば、制度の利用を終えられるようになります。
施行されるまでは、現在の制度がそのまま適用されます。「今すぐ手続きが必要なのか、施行を待てるのか」は状況によって違います。急ぎでなければ、専門家に相談したうえで判断するのがおすすめです。
後見の前に検討できる選択肢
お金の管理を支える仕組みは、成年後見だけではありません。ご本人の判断能力がどの程度残っているかによって、使えるものが変わります。

日常生活自立支援事業(社会福祉協議会)
判断能力に不安はあるものの、ご本人が契約の内容を理解できる方が対象です。社会福祉協議会の職員が、日々の生活費の出し入れ、公共料金などの支払い、通帳や大切な書類の預かりなどを手伝います。利用料は比較的少額です。お住まいの地域の社会福祉協議会が窓口です。
任意後見
判断能力があるうちに、信頼できる人を将来の後見人として選び、契約しておく方法です。実際に支援が始まるときは、家庭裁判所が任意後見監督人を選び、その報酬がかかります。
家族信託
判断能力があるうちに、財産の管理をご家族に託す契約です。自宅の売却なども、託された家族の判断で進められます。専門家への依頼費用がかかり、仕組みも複雑なため、相続に詳しい専門家への相談が前提です。
銀行の代理人の手続き
多くの銀行に、ご本人が元気なうちにご家族を代理人として登録しておく仕組みがあります。代理人用のキャッシュカードを発行できる場合もあります。ご本人と一緒に窓口へ行ける今のうちに、取引銀行に確認してみてください。
ご家族が今からできること
- 口座・保険・年金の一覧を作る:どこに何があるかを把握しておくだけで、いざというときの手続きがまったく違います。
- ご本人と話しておく:「誰にお金のことを任せたいか」を、元気なうちに聞いておきます。
- 詐欺への備え:固定電話を留守番電話にしておく、迷惑電話を防ぐ機器を使うなどが有効です。
- 早めに相談する:地域包括支援センター、社会福祉協議会が最初の相談先です。
介護にかかるお金そのものを抑える制度も確認しておきましょう。料金の考え方は【訪問マッサージの料金】いくらかかる?費用の目安と自己負担額の決まり方で、介護保険の限度額については【介護保険の限度額が足りない】要介護度別の上限一覧とオーバー時の対処法で解説しています。
よくあるご質問
Q. 家族が後見人になることはできますか?
できます。申立ての際に候補者として記載できます。ただし、最終的には家庭裁判所が判断します。ご家族が選ばれた場合でも、専門職の監督人がつくことがあります。
Q. 介護サービスの契約は、家族がしてもいいのですか?
実際には、ご家族が署名する形で契約が進められていることが多くあります。ただし、ご本人の判断能力が大きく低下している場合の契約のあり方については、ケアマネジャーや事業者と相談しておくと安心です。
Q. 物忘れが少しある程度ですが、もう手遅れですか?
いいえ。契約の内容を理解できる状態であれば、任意後見や家族信託、銀行の代理人登録などを検討できる可能性があります。判断は専門家によりますので、早めにご相談ください。
Q. 認知症の診断を受けたら、すぐに後見が必要ですか?
診断を受けたことだけで、必ず後見が必要になるわけではありません。困りごとがあるかどうか、ほかの方法で対応できないかを整理してから考えます。
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お金の管理を考え始める時期は、体の状態にも変化が出てくる時期です。
「足腰が弱ってきて、外出が減った」
「介護費用がかさんで、これ以上サービスを増やせない」
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- 医師の同意書取得などの手続きも親身にサポートいたします。
仙台市および周辺地域にお住まいの方を対象に訪問しております。
まとめ
- 判断能力が低下すると、預金の解約や自宅の売却、契約の手続きが進まなくなることがある。
- 成年後見には法定後見(低下した後)と任意後見(元気なうちに)がある。
- 現在の法定後見は後見人を家庭裁判所が選び、原則やめられず、専門職なら報酬が続く。
- 2026年6月に改正法が成立。必要な範囲・期間だけ使える制度へ、2028年までに変わる予定。
- 判断能力があるうちなら、任意後見・家族信託・銀行の代理人登録も選択肢。まずは地域包括支援センターや社会福祉協議会へ。
※制度の詳細や最新の情報は、家庭裁判所や専門家にご確認ください。