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2026年09月24日
認知症の種類と特徴|4タイプの見分け方と家族ができる接し方
「認知症と診断されたが、種類までは説明されなかった」
「幻視があると聞いて調べたら、種類によって対応が違うと書いてあった」
「本に書いてある対応を試しても、うちの母には当てはまらない」
ひとくちに認知症といっても、原因となる病気は複数あり、現れ方も、有効な対応も異なります。
一般的な介護の本に書かれているのは、多くがアルツハイマー型を前提にした内容です。そのため、別のタイプの方に当てはめるとうまくいかないばかりか、かえって混乱を招くことがあります。
この記事では、主なタイプの特徴と見分けのヒント、タイプごとの関わり方を整理します。
この記事は診断の代わりにはなりません
タイプの判別は、画像検査や専門的な診察をふまえて医師が行うものです。また複数のタイプが重なっている方(混合型)も少なくありません。この記事は「専門医に相談する際に、気になっている様子を正確に伝えるための整理」としてお読みください。
主な3つのタイプの違い
まず、頻度の高い3つのタイプを比べます。

タイプ別の特徴と関わり方
1. アルツハイマー型認知症
最も多いタイプです。新しいことを覚えられないところから始まり、ゆるやかに進行します。
【現れやすい様子】
- さっき聞いたことを繰り返し尋ねる。体験そのものを忘れる。
- 日付や曜日が分からなくなる(次第に場所、人へと広がります)。
- 物盗られ妄想——財布や通帳を「盗られた」と訴える。多くの場合、いちばん世話をしている人が疑われます。
【関わり方】
- 否定や訂正をしない。「さっきも言ったでしょう」は不安を強めるだけです。
- 環境を変えない。家具の配置や物の置き場所を変えると、混乱が一気に進むことがあります。
- 昔の記憶は比較的よく保たれます。若い頃の話題は、ご本人が自信を持って話せる領域です。
物盗られ妄想は「疑われている」というより「なくして困っている」という訴えです。一緒に探し、ご本人が見つける形にすると収まりやすくなります。
2. 血管性認知症
脳梗塞や脳出血が原因で起こります。脳のどこが傷ついたかによって症状が決まるのが、他のタイプと大きく違う点です。
【現れやすい様子】
- まだら認知症——できることと、できないことの差がはっきりしています。計算はできるのに日付が分からない、など。
- 段階的に進む。新しい発作が起きるたびに、階段を下りるように悪化します。
- 感情失禁——ささいなことで泣いたり怒ったりする。ご本人も止められません。
- 手足の麻痺、飲み込みにくさ、歩きにくさを伴うことが多くあります。
【関わり方】
- 再発予防が最優先。血圧・血糖の管理と、薬をきちんと飲めているかの確認が、進行を抑える最大の手段です。
- できることを奪わない。まだらであるがゆえに、周囲が「何もできない」と決めつけてしまいがちです。
- 体のリハビリが重要です。麻痺した側は動かさないでいると関節が固まり(拘縮)、痛みと介助の負担が一気に増します。
服薬の管理については高齢者の服薬管理|飲み忘れを防ぐ6つの工夫と薬剤師の訪問という選択肢もあわせてご覧ください。
3. レビー小体型認知症
はっきりとした幻視と、パーキンソン病に似た体の症状が特徴です。
【現れやすい様子】
- 幻視——「子どもが座っている」「虫がいる」など、実在しないものが具体的に見えます。ぼんやりした錯覚ではありません。
- 調子の波が大きい。しっかりしている時間と、ぼんやりしている時間が、同じ日の中で入れ替わります。
- 動作が遅い、小刻みに歩く、前かがみになる、体がこわばる。
- 大きな寝言、睡眠中に暴れる(発症のかなり前から現れることがあります)。
- 転びやすい。3つのタイプの中で、転倒のリスクが最も高いタイプです。
【関わり方】
- 幻視を否定しない。「いないよ」ではなく「そうなんですね、あちらへ行ってもらいましょうか」と受け止めます。薄暗さや模様が引き金になることがあるため、照明を明るくするのも有効です。
- 調子のいい時間帯に用事を合わせる。ぼんやりしている時に無理をさせません。
- 薬に敏感な方が多いタイプです。少量でも強く効きすぎることがあるため、市販薬を含め、自己判断で薬を足さないでください。
- 転倒対策を最優先に。段差の解消、手すり、動線の確保です。
4. 前頭側頭型認知症
頻度は高くありませんが、ご家族がいちばん誤解されやすいタイプです。物忘れより先に、人柄や行動が変わります。比較的若い年代(40〜60代)で発症することもあります。
【現れやすい様子】
- 抑制がきかなくなる。店の物を持ち出す、順番を待てない、その場に合わない発言をする。
- 毎日まったく同じ行動を繰り返す(決まった時刻に同じ道を歩くなど)。
- 他人事のように無関心になる。
- 言葉が出にくい、物の名前が分からなくなる。
【関わり方】
- 叱っても止まりません。性格の問題でも、しつけの問題でもなく、脳の病気による症状です。
- 繰り返しの行動を生活に組み込む。止めようとすると強く抵抗しますが、決まった時間の予定として使えば、むしろ安定します。
- 早めに専門医へ。うつ病や性格の変化と誤解され、診断までに時間がかかりがちです。
タイプにかかわらず共通して大切なこと
【どのタイプでも変わらない原則】
- 体の不調が症状を悪化させます。便秘、脱水、痛み、発熱。落ち着かない様子の背景に、こうした身体的な原因が隠れていることが非常に多くあります。
- 急に様子が変わったときは、認知症の進行と決めつけない。感染症や薬の影響で、一時的に混乱が強く出ること(せん妄)があります。受診してください。
- 動く機会を減らさない。どのタイプでも、体を動かさない期間が続くと筋力と関節が落ち、それがさらに活動量を減らします。
- 家族だけで抱えない。地域包括支援センター、ケアマネジャー、認知症疾患医療センターが相談先です。
介護するご家族の負担については【認知症介護の孤独感・ストレス】会話が成り立たない辛さを和らげる工夫と息抜き法で詳しく扱っています。
訪問マッサージが役立つ場面
認知症そのものを治す方法は、私たちにはありません。しかし体の状態を保つことは、どのタイプでも生活の質に直結します。
💡 タイプごとに関わるポイントが違います
- 血管性:麻痺した手足の関節が固まるのを防ぎます。脳血管疾患の後遺症は、医療保険で訪問マッサージを受けられる代表的な対象です。
- レビー小体型:体のこわばりに対し、関節の動く範囲を保つ施術を行います。転倒予防のため、ご家族へ動線の助言も行います。
- アルツハイマー型:外出が減ることによる筋力低下に対し、自宅で続けられる運動をご提案します。
- 前頭側頭型:決まった曜日・決まった時間の訪問は、繰り返しの行動を大切にされる方と相性がよい場合があります。
また手や足に直接触れる時間は、言葉でのやりとりが難しくなった方にとって、安心につながる関わりでもあります。
認知症のある方への訪問については認知症でも訪問マッサージは受けられる?受け入れてもらうための4つの工夫で詳しく解説しています。医療保険が使える条件は【訪問マッサージの医療保険適用条件】対象となる症状と同意書の取得方法をご覧ください。
よくあるご質問
Q. 種類が分からないのですが、どこで調べられますか?
物忘れ外来や、認知症疾患医療センターで相談できます。かかりつけ医からの紹介が必要な場合もありますので、まずは主治医、または地域包括支援センターにご相談ください。
Q. 途中で診断名が変わることはありますか?
あります。経過を見る中で判断が変わることや、複数のタイプが重なっていると分かることも珍しくありません。診断名より、今どんな様子が出ているかを主治医に伝えることが大切です。
Q. 幻視があると言われましたが、否定しないと本人が信じ込んでしまいませんか?
否定しても消えません。ご本人には本当に見えています。否定は「分かってもらえない」という不安と不信を生むだけです。ただし「そこにいるね」と話を合わせすぎるのも混乱のもとになります。気持ちを受け止め、対処する行動を見せるのが基本です。
Q. 進行を遅らせる方法はありますか?
タイプによります。血管性では再発予防(血圧・血糖・服薬の管理)が明確に有効です。また、どのタイプでも体を動かすこと、人と関わること、持病を整えることが生活の質を保つうえで重要とされています。
Q. 施術を嫌がるのではないかと心配です。
初回は無理に触れず、ご様子を見ながら進めます。ご家族に同席いただくこともできます。認知症でも訪問マッサージは受けられる?で、実際の進め方をご紹介しています。
訪問マッサージオリーブの「無料体験・評価」をご利用ください
「麻痺した手足が固くなってきた」
「動かない時間が増えて、このままでは寝たきりになりそう」
「本人が外出を嫌がり、リハビリに通えない」
このような方へ、訪問マッサージオリーブでは「無料体験マッサージ」と「お身体の状態を正確に確認する無料評価」を実施しております。
- 国家資格を保持する専門スタッフがご自宅へ訪問し、関節の可動域や筋肉の硬さを評価します。
- ご本人のペースに合わせ、初回は無理に施術いたしません。
- 医師の同意書取得などの手続きも親身にサポートいたします。
仙台市および周辺地域にお住まいの方を対象に訪問しております。
まとめ
- アルツハイマー型:物忘れから始まり、ゆるやかに進む。否定せず、環境を変えない。
- 血管性:脳卒中が原因。まだら・段階的・麻痺を伴う。再発予防とリハビリが要。
- レビー小体型:はっきりした幻視、調子の波、体のこわばり。転倒対策と、薬への過敏さに注意。
- 前頭側頭型:物忘れより行動と人柄の変化が先。叱らず、繰り返しの行動を生活に組み込む。
- どのタイプでも、便秘・脱水・痛みなど体の不調が症状を悪化させます。
※診断および治療に関しては、必ず専門医にご相談ください。