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2026年10月09日
ヒートショックを防ぐ|冬の入浴で高齢者に起きることと家庭の対策
「冬場の入浴が心配だが、本人は長風呂が好きで聞いてくれない」
「脱衣所が寒いのは分かっているが、何をすればいいのか」
「入浴中に具合が悪くなったという話を聞いて、不安になった」
家庭の浴槽で溺れて亡くなる方は、年間5,000人前後にのぼります。そのおよそ9割が65歳以上の方です。
そして事故は11月から4月の寒い時期に集中し、1月にもっとも多くなります。
原因の多くがヒートショックです。急な温度差で血圧が大きく変動し、意識を失ってしまうことが引き金になります。
この記事では、ヒートショックが起きる仕組み、危険が高まる条件、そして今日からできる家庭の対策を解説します。
ヒートショックが起きる仕組み
入浴中、体には短い時間に3回、大きな変化が起こります。
- 暖かい居間から、寒い脱衣所・浴室へ。体が冷え、血管が縮んで血圧が急に上がります。
- 熱い湯につかる。今度は血管が広がり、血圧が急に下がります。
- 湯から立ち上がる。さらに血圧が下がり、脳に血が行きにくくなります。
この変動に体がついていけないと、めまいや失神が起こります。浴槽の中で意識を失えば、そのまま溺れてしまいます。
また、血圧の急変動は心筋梗塞や脳卒中の引き金にもなります。
若い方なら体が調整できますが、高齢になるとこの調整の力が落ちます。加えて、熱さや寒さを感じにくくなるため、危険な状態に自分で気づけません。
特に注意が必要な方
危険が高まる条件
- 65歳以上の方
- 高血圧、糖尿病、動脈硬化、心臓の病気がある方
- お酒を飲んだ後に入浴する習慣がある方
- 食事の直後、睡眠薬や安定剤を飲んだ直後に入る方
- 42℃以上の熱いお湯が好きな方、長風呂の方
- 一人で入浴する方、一番風呂に入ることが多い方
「熱いお湯に長くつかるのが好き」という方が、もっとも危険です。本人にとっては長年の習慣であるため、説得が難しい部分でもあります。
今日からできる対策
お金をかけずにできることから始められます。

1. 脱衣所と浴室を暖めておく
いちばん効果が大きい対策です。
- 脱衣所に小型の暖房器具を置く(入浴の15分ほど前から)
- 浴室は、シャワーを高い位置から1〜2分出しておくと、湯気で暖まります。器具がなくてもできます
- 浴槽のふたを開けておくだけでも、浴室の温度が上がります
- 湯をためるとき、給湯口ではなくシャワーから高い位置で注ぐ
2. お湯は41℃以下、10分以内
42℃を超えると、血圧の変動が大きくなります。41℃以下を目安にしてください。
つかる時間は10分以内。体温が上がりすぎると、湯の中でぼんやりしてきます。
3. かけ湯をしてから入る
いきなり湯につからず、手足など心臓から遠いところからかけ湯をします。体を湯温に慣らすためです。
4. 立ち上がるときはゆっくり
浴槽から急に立ち上がると、血圧が下がって立ちくらみが起こります。手すりや浴槽のふちにつかまり、ゆっくり立ってください。
5. 入る前と後に水分をとる
入浴では汗をかきます。入浴前にコップ1杯の水分をとると、血液が濃くなるのを防げます。脱水については高齢者の脱水症状|家族が気づけるサインと無理なく水分をとる工夫をご覧ください。
6. 入る前に家族へ一声かける
「今からお風呂に入る」と伝えるだけで、異変に気づくまでの時間が大きく変わります。
同居のご家族は、時々声をかけてください。返事がない時間が続いたら確認します。
7. 時間帯を選ぶ
日が暮れる前、家全体がまだ暖かい時間帯が安全です。夕食前、17時頃までの入浴をおすすめします。
食事の直後、お酒を飲んだ後、薬を飲んだ直後は避けてください。
8. 一番風呂を避ける
一番風呂は浴室が暖まっていません。ご家族が先に入り、浴室が暖まってから入っていただくと安全です。
浴室以外にも危ない場所があります
トイレと廊下です。
夜中にトイレへ立つとき、暖かい布団から寒い廊下・トイレへ移動します。ここでも同じ温度差が起こります。
- トイレに小型の暖房を置く、暖房便座を使う
- 寝室の近くに厚手の上着を置いておく
- 夜間の足元灯をつける(転倒予防にもなります)
【緊急】浴槽で倒れているのを見つけたら
やること
- すぐに浴槽の栓を抜く。引き上げられなくても、お湯が減れば溺れずに済みます。
- 顔を湯から出す。ふちに寄りかからせるなどして、鼻と口を水面より上に。
- 大声で助けを呼び、119番。
- 無理に一人で引き上げようとしない。ご家族が腰を痛めて動けなくなると、助けられません。
栓を抜くことを最初に覚えておいてください。力のいらない、いちばん確実な行動です。
入浴そのものが負担になっているとき
温度対策をしても、浴槽をまたげない、立ち上がれない、洗うのに時間がかかるという場合は、体の状態のほうに原因があります。
浴槽をまたぐには、片足で立つバランスと股関節・膝・足首が曲がることが必要です。ここが固くなると、入浴は一気に危険な動作になります。
💡 訪問マッサージがお手伝いできること
- 入浴の動作に必要な関節の動きを保ちます:股関節・膝・足首・肩の可動域を維持します。
- 浴室の環境について助言します:手すりの位置、滑り止め、シャワーチェアなど、実際に動作を見たうえでお伝えします。
- 介護保険の限度額を消費しません:訪問入浴やデイサービスの入浴を減らす必要がありません。
入浴を嫌がる場合の対応は【高齢者のお風呂拒否】理由と今日から試せる対応策&家族の負担軽減法で解説しています。手すりの選び方などは介護保険で借りられる福祉用具一覧|要介護度別の対象とレンタル・購入の違いをご覧ください。
よくあるご質問
Q. 本人が「熱い風呂じゃないと入った気がしない」と言います。
長年の習慣なので、急に変えるのは難しいものです。まず「浴室を暖める」ところから始めてください。浴室が暖かければ、湯温が少し低くても寒く感じにくくなります。温度計を置いて、数字を見てもらうのも有効です。
Q. シャワーだけなら安全ですか?
浴槽で溺れる危険はなくなります。ただし寒い浴室でのシャワーは体を冷やし、血圧の変動を招きます。浴室を暖めることは、シャワーでも必要です。
Q. 一人暮らしの親が心配です。
入浴の時間を決めてもらい、その前後に電話をする方法があります。訪問介護やデイサービスの入浴を利用すれば、職員がいる環境で入浴できます。ケアマネジャーにご相談ください。
Q. 血圧の薬を飲んでいます。入浴は控えるべきですか?
主治医にご確認ください。薬の種類や血圧の状態によって、助言が変わります。服薬直後の入浴は避けたほうがよい場合があります。
Q. 暖房器具を置くスペースがありません。
シャワーで浴室に湯気を立てる方法なら、何も置かずにできます。脱衣所は、入浴前に浴室の扉を開けておくだけでも、いくらか暖まります。
訪問マッサージオリーブの「無料体験・評価」をご利用ください
「浴槽をまたぐのがつらそうで、入浴が心配」
「体が固くなって、入浴の介助が大変になってきた」
このような方へ、訪問マッサージオリーブでは「無料体験マッサージ」と「お身体の状態を正確に確認する無料評価」を実施しております。
- 国家資格を保持する専門スタッフがご自宅へ訪問し、関節の可動域や筋力を評価します。
- ご家族の見学・同席も歓迎です。費用はかかりません。
- 医師の同意書取得などの手続きも親身にサポートいたします。
仙台市および周辺地域にお住まいの方を対象に訪問しております。
まとめ
- 家庭の浴槽での溺死は年間5,000人前後、その9割が65歳以上。11月〜4月、特に1月に集中します。
- 原因は急な温度差による血圧の変動。浴槽内で意識を失うと溺れてしまいます。
- 対策の柱は脱衣所と浴室を暖めること。シャワーを1〜2分出すだけでもできます。
- 41℃以下・10分以内・ゆっくり立つ・入る前に水分・家族に一声。
- 倒れているのを見つけたら、まず栓を抜く。力がいらず、確実です。
※持病のある方の入浴については、主治医にご相談ください。