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2026年09月26日
高齢者の脱水症状|家族が気づけるサインと無理なく水分をとる工夫
「声をかけても、あまり水を飲んでくれない」
「なんとなくぼんやりしていて、いつもと様子が違う」
「夏でもないのに、脱水と言われて点滴を受けた」
高齢の方の脱水は、ご本人も、周りの家族も気づきにくいのが特徴です。はっきりした症状が出たときには、すでに進んでいることも少なくありません。
また、脱水は夏だけの問題ではありません。暖房で空気が乾く冬にも起こります。
この記事では、高齢者が脱水になりやすい理由、家族が気づけるサイン、無理なく水分をとってもらう工夫、そしてすぐに受診すべき状態を解説します。
先にご確認ください
心臓や腎臓の病気で、水分をとる量を制限されている方がいます。その場合は、この記事の目安ではなく主治医の指示を必ず優先してください。「たくさん飲ませれば安心」とは限りません。
高齢者が脱水になりやすい4つの理由
1. 体に蓄えている水分が少ない
体の水分の多くは筋肉に蓄えられています。年齢とともに筋肉が減ると、体に貯めておける水分そのものが少なくなります。少し水分が不足しただけで、影響が出やすいのです。
2. のどの渇きを感じにくい
渇きを感じる働きが鈍くなるため、体は水分を必要としているのに、ご本人は「のどは渇いていない」と感じます。「欲しくなったら飲む」では間に合いません。
3. トイレを気にして控える
「トイレが近くなるから」「夜中に起きるのがつらいから」「トイレの介助を頼むのが申し訳ないから」——ご本人なりの理由で、意識的に水分を減らしていることがよくあります。
4. 飲み込みにくさがある
水やお茶でむせる方は、飲むこと自体がつらくなります。とろみをつけた飲み物は「おいしくない」と感じる方も多く、1日に飲む量が大きく減りがちです。
飲み込みにくい方の食事と水分については介護食・嚥下食の選び方|食事形態の段階と刻み食が危ない理由で解説しています。
家族が気づける脱水のサイン
ご本人が訴えることは少ないため、周りが見て、触れて気づくことが大切です。
【見て・触れて分かるサイン】
- 脇の下が乾いている:普段は湿っている場所です。手を入れて確かめられます。
- 口の中や舌が乾いている:舌の表面がざらざらしている、唾液がねばつく。
- 手の甲の皮膚の戻りが遅い:軽くつまんで離したとき、しわがすぐに戻らない。
- 爪の色の戻りが遅い:爪を押して白くなった色が、ピンクに戻るまで時間がかかる。
- 尿の色が濃い、回数や量が減った。
- 便秘が続いている。
そして、いちばん見落とされやすいのが「いつもと様子が違う」ことです。
- ぼんやりしている、反応が遅い
- ふらつく、立ち上がるときによろける
- 食欲がない、元気がない
- 微熱がある
こうした変化は「年のせい」「認知症が進んだ」と思われがちですが、脱水が原因のこともあります。水分をとって落ち着く場合もあれば、受診が必要な場合もあります。
すぐに受診・救急相談が必要な状態
- 呼びかけへの反応が鈍い、意識がもうろうとしている
- 自分で水分をとることができない
- 嘔吐や下痢が続いている
- けいれんがある
迷ったときは、救急安心センター(#7119)で受診の必要性を相談できます。
1日にどれくらい飲めばいいか
一般的には、食事に含まれる水分とは別に、飲み物として1日1〜1.5リットル程度がひとつの目安とされています。コップ(約200ml)で6〜7杯ほどです。
ただし、体格や持病、季節、活動量によって必要な量は変わります。先にお伝えしたとおり、水分の制限がある方は主治医の指示に従ってください。
「目安の量」にこだわるより、先ほどのサインが出ていないかを毎日見るほうが、実際には役に立ちます。
無理なく飲んでもらう6つの工夫
「もっと飲んで」と言い続けるのは、ご本人にもご家族にも負担です。頑張らなくても自然に飲める仕組みをつくります。

飲む時間を決めてしまう
起床時、毎食、10時と15時のお茶の時間、入浴の前後、寝る前。この8回に1杯ずつで、目安の量に近づきます。「渇いたら」ではなく「時間が来たら」飲むのがコツです。
夜のトイレが心配な方は、日中に多めに
夕方以降は控えめにし、その分を午前中から昼過ぎに回します。トイレを理由に控えている方には、この方法を伝えるだけで安心されることがあります。
小さいコップで、回数を増やす
大きなコップになみなみと注ぐと、それだけで「こんなに飲めない」と感じます。半分くらいの量を、何度もが負担になりません。
食べ物からも水分をとる
汁物、果物、ゼリー、おかゆ、豆腐など、水分の多い食べ物も立派な水分補給です。飲み物が苦手な方には特に有効です。
手の届くところに置いておく
ベッドや椅子の脇、ご本人が手を伸ばせばすぐ届く場所に、ふたつきのコップを置いておきます。台所まで行くのが面倒で飲まない、という方は意外に多いのです。
好きな飲み物を選んでもらう
お茶や水にこだわる必要はありません。麦茶、ほうじ茶、薄めた果汁、スープ、牛乳など、ご本人が飲みたいと思うものを優先します。
なお、コーヒーや緑茶などカフェインの多い飲み物、お酒は、尿の量を増やすため、それだけで水分をとったことにはしないほうが安心です。
経口補水液は「普段の水分」ではありません
ドラッグストアで手に入る経口補水液は、脱水の症状があるときに、失われた水分と塩分を効率よく補うためのものです。
塩分を多く含むため、普段の水分補給として毎日飲み続けるものではありません。特に血圧や腎臓の病気がある方は、使ってよいか主治医に確認しておくと安心です。
冬の脱水にも注意が必要です
冬は汗をかかないため、脱水への意識が薄れます。しかし実際には、
- 暖房で空気が乾燥し、呼吸や皮膚から水分が失われる
- 寒さでトイレに行くのがおっくうになり、飲む量を減らす
- 厚着や電気毛布で、気づかないうちに汗をかいている
といった理由で、冬にも脱水は起こります。季節を問わず、飲む時間を決めておくのがいちばんの予防です。
訪問マッサージが「気づく目」になります
脱水のサインは、体に触れる機会があるほど気づきやすいものです。
💡 施術の中で気づけること
- 皮膚の乾き、張りの変化:週に1〜2回、同じ手で触れているからこそ分かる変化があります。
- 「今日はぼんやりしている」:いつもの様子を知っているため、違いに気づけます。
- 施術の前後の声かけ:体を動かす前後に、一杯の水分をおすすめしています。
気づいたことは、ご家族・ケアマネジャー様へ速やかにお伝えします。
脱水は便秘の原因にもなります。【高齢者の便秘解消】運動不足をプロのマッサージと運動訓練で改善しようもあわせてご覧ください。
よくあるご質問
Q. 足がむくんでいます。水分は控えたほうがいいですか?
自己判断で控えないでください。むくみの原因はさまざまで、水分を減らしても解消しないことが多く、かえって脱水を招くことがあります。心臓や腎臓の病気がある方は、主治医に確認してください。むくみについては【高齢者の足のむくみ】足がパンパンになる原因と自宅でできる解消法・予防対策で詳しく解説しています。
Q. 本人は「さっき飲んだ」と言うのですが。
記憶があいまいな方の場合、実際には飲んでいないことがあります。コップを決めて、減った量で確認する、飲んだらカレンダーに印をつけるなど、記憶に頼らない方法をおすすめします。
Q. 離れて暮らしていて、毎日確認できません。
電話のときに「今、お茶を一杯飲んで」とその場で飲んでもらうだけでも違います。訪問介護やデイサービスの職員、訪問する専門職に「水分をとれているか気にかけてほしい」と伝えておくのも有効です。
Q. スポーツドリンクは毎日飲んでも大丈夫ですか?
糖分が多いため、糖尿病のある方は注意が必要です。日常的には水やお茶を中心にし、汗を多くかいたときなどに取り入れるのが無難です。
訪問マッサージオリーブの「無料体験・評価」をご利用ください
「離れて暮らしていて、自宅での様子が分からない」
「動く機会が減り、体がこわばってきた」
このような方へ、訪問マッサージオリーブでは「無料体験マッサージ」と「お身体の状態を正確に確認する無料評価」を実施しております。
- 国家資格を保持する専門スタッフがご自宅へ訪問し、関節の可動域や筋肉の状態を評価します。
- 訪問時のご様子を、ご家族・ケアマネジャー様へ共有いたします。
- 医師の同意書取得などの手続きも親身にサポートいたします。
仙台市および周辺地域にお住まいの方を対象に訪問しております。
まとめ
- 高齢者は体の水分が少なく、渇きを感じにくいため、脱水になりやすい。
- 脇の下の乾き、皮膚や爪の戻り、尿の色、「いつもと違う様子」がサイン。
- 目安は飲み物で1日1〜1.5リットル程度。ただし水分制限がある方は主治医の指示が優先。
- 飲む時間を決める・小さいコップで回数を・食べ物からも。夜が心配なら日中に多めに。
- 冬にも脱水は起こります。意識がもうろうとしている場合はすぐに受診を。
※体調や持病に応じた水分量については、主治医にご相談ください。